我々科学者という生き物はミスを頻繁にする。
いや、これは別に科学者に限らずか。
人間という生き物はミスをするもの。
GMPの3原則においても、「ヒューマンエラーを最小限にすること」と書いてあるように、ヒューマンエラーはどこまでいってもゼロにはできない。
だからこそ最小限で済むように対策をするし、エラーが起きたとしても大きな被害につながらないように前もって準備をする必要がある。
失敗が起きたときに一番してはいけない行動。それは隠さないこと。
なので、まず若手がそういった報告をしてきたときには、それは素直に褒めてあげよう。
ではなぜ隠すのはだめなのか。
ミスは共有化されるべきなのだ。
例えば当量計算を誤ったせいで塩基を十分にクエンチできず、結晶が析出しなかったとしよう。
このミスは最終的には酸を追加すればそれで済む。
でもこれはたまたま塩基・酸で起きたから事故にはつながらなかったが、mCBPAといった過酸を使った反応のクエンチ不足だったらどうなるだろう。
そのときは同じミスが起こらない確証はあるだろうか。
そこで起きた事象は他の起こりうる類似事案に水平展開されるべきであり、
それは一人で抱え込むのではなく広く共有化されるべきだと僕は思う。
こういったケーススタディを積み重ねていくことが、会社全体の危険予知能力の向上にもつながるし、
何よりも会社の財産になると僕は思っている。
そういった意味では現在の会社ではこういったものがあまり軽視されている現状を変えないとな、と日々頑張っているところではあるのだ。
